高齢者の健康維持にも繋がる

バイタルサインは呼吸や脈拍など、人間が生きていることを示す兆候のことを指します。バイタルサインの測定は高齢者の体調の変化に気付くことが主な目的です。体調に異変が生じるとバイタルサインが異常な数値を示します。例えば不整脈が続く方は心臓の機能が弱まっている可能性が高いです。高血圧も続いてしまうと心筋梗塞や脳梗塞を発症してしまう可能性が高くなります。高齢者は自分では体調の変化に気付いていないことも多いです。客観的に数値で確認することで、医師への説明もしやすくなります。薬の見直しや医師による治療にもつながりやすいです。病気の早期発見にもつながるため、高齢者の健康維持につながります。

介護職が日頃支援する際もバイタルサインの値が重要となります。例えば心臓や呼吸器に異常がある方は、運動や入浴など体に負担をかける行為に細心の注意を払わなければなりません。バイタルサインに異常値が見られた際は異変が生じる可能性が高いので、見守りを強化する必要があります。バイタルサインの値を知ることは、支援の方向性を決めることにもつながるのです。

なおバイタルサインの値は人によって異なります。異変に気付くためにはまず平常時の数値を知ることが大切です。バイタルサインは出来るだけ同じ時間、同じタイミングで計るようにします。バイタルサインを毎日決まった時間に測定し記録に残すことで、高齢者の体調を職員同士で共有することも可能です。