どの職場でも重要なバイタルチェック

介護職は働く場所によって仕事の内容にも違いがありますが、どの職場であっても重要な仕事がバイタルチェックです。バイタルチェックとはバイタルサインを計測することをいいます。そしてそのバイタルサインとは、介護や看護といった現場で要介護者や患者の心身の状態を把握するために必要な心身の兆候のことです。介護の現場だけでなく、事故現場の緊急事態や保育の場面でもバイタルサインは活用されています。バイタルサインは健康管理や経過観察を正しく行うためにもとても重要です。そのため、ここでもバイタルサインについて触れますがそれを読んで満足するのではなく、もっとよくバイタルサインの基本を調べることをおすすめします。

バイタルサインには、様々な種類があります。その中でも脈拍、呼吸状態、意識レベルを把握するには、計測器を使う必要がありません。脈拍が乱れれば不整脈が疑われるし、呼吸数が変化していれば呼吸器の異常が推測されるでしょう。脈拍は毎分50回から70回程度、呼吸回数は毎分15回から20回など目安となる平均値は覚えておくべきですが、個人差が大きいので平常から計測して個別の値を把握する必要があります。意識レベルも重要なバイタルサインです。意識レベルとは覚醒状態のことで、声かけや身体への刺激に対する反応から判断します。受け答えがはっきりしない場合には、てんかんや脳血管障害が疑われます。

体温と血圧を測定するためには、計測器が必要です。高齢者は血管が硬くなるので、高血圧に注意しなければなりません。また、サチュレーションと呼ばれる酸素飽和度もバイタルサインの1つで、血中酸素濃度をパーセントで表します。呼吸器に異常があると酸素濃度が減り、95パーセント以下は酸欠状態とされています。